| 「めいっぱいのI LOVE YOU!」 |
頭に来る! ボクは、進藤に何回鳴らしても届かない携帯を恨めしげに見つめた。 電波の届かない所におられるか電源が入っていないため・・・? ボクの電波の届かない所に行くなよ! 電源が入ってなかったら・・・本当に許さないからな!!! 新婚一ヶ月目、あの男の夜の付き合いにも程がある。 * * * 「おーい、塔矢、ただいま!」 夜も一時をまわって少しお酒入ってて 棋士の集まりでオレはまた飲んで気持ちよくなっていた。 リビングに入ると塔矢がオレに背中を向けて正座していた。 なんだか・・・酒の酔いが一瞬で冷めるような恐ろしい霊気を感じた。 回れ右していいですか? ここオレん家? 「と・・・塔矢・・・た、ただいま・・・寝てても良かったんだぜ?」 「・・・。」 塔矢はぎろりとオレを振り返ると無言で立ち上がって すたすたとオレの方に歩いてくる。 目が目がこえェよ〜〜!!! 「携帯・・・。」 「えっ?携帯?」 「携帯出せ!」 塔矢が鬼気迫る顔をしている。オレは完全にビビりが入って 塔矢に自分の携帯を差し出した。 やばい履歴ねェよな?こええこええ。 コイツは人一倍おっかないからだ。結婚したら一層だ。 塔矢はオレの携帯をつかむとおもむろに着信履歴を調べて 「ボクの着信見なかったか?」 と聞いてきた。 「あ、ごめん、さっき気付いてさ〜どうしたの?」 「・・・。」 それでまた温度が下がった気がするぜ。 塔矢はその携帯を持ってすたすたと洗面所に向かってる。ちょ・・・何? 怖くなってついてったら塔矢が風呂場の前に立っていた。 「なに?お風呂は今日はもーいいから・・・」 「・・・つながらない携帯なんかいらない。」 ぽちゃん・・・。 ぽちゃん・・・!? なーんだとーーーー!!!!?????? オレが 「うわっ、オマエなにすんだよっ!」 と叫んで風呂を見たらオレのかわいいケータイがお湯の中に沈んでいくのが見えた。 「お、お・・・オマエなんてことすんだよー!!!!!携帯オシャカだろーが!」 「うるさいっ!大体ボクと連絡取れないのが悪いんだ!」 「自分勝手!オマエほんとーわがまま!」 「帰るときは連絡しろって言ったはずだ!いいかげんにしろ!」 「だからって携帯殺すことねーだろが!あーオマエのその性格ほんとアッタマくんぜ!」 オレは、もう信じられなくて携帯拾うのもあきらめてリビングに戻る。 塔矢も勿論ついてくる。 「大体棋士同士の付き合いがオマエにもあるだろ、もっと理解示せよ!?」 「ボクはキミに連絡ちゃんとしてるぞ、遅くなるときはな!」 「話の流れで連絡出来ねーときが沢山あんだよ!」 「そんなハズない。そういう言い訳はやめてもらいたいな!連絡しようとしたら いくらだって出来るものだ!」 「だー!!!オマエの考え方で人を縛るなー!!」 「じゃあ・・・離婚だ!」 「お安い御用だ!」 売り言葉に買い言葉とはこのことだ。 * * * ケンカするたびにボクは離婚届を出してる。 勿論署名捺印つき。 本当にいつも思うけどどうしてこの男?と思うところがよくあるのだ。 ボクが離婚届を出すと、たいがい進藤はびっくりして最後には折れてくる。 が、今日は違った。 「離婚届出せっ!今日こそ書いてやるかんな!」 「な、書けるものなら書いてみろっ!!!」 ボクはテーブルの上に離婚届を出してそしてツンと横を向いた。 進藤は離婚届をサッととると手近にあったボールペンを取り出した。 なに?本当に書くつもりか? カリカリ・・・ 進藤の名前を記入する音が聞こえて、ボクは下唇を噛んだ。 カリカリ・・・カリ・・・ 怖くて目がいかない。心臓がいやな音をたてる。 信じられない、本当に書くなんて!!!! 「ホラ、これ役所に出して来いよな。せーせーすんだろ?」 そう冷たく言い放った進藤の顔が見れないけど、震えそうな手で紙を受け取った。 バカ・・・進藤のバカ・・・! ボクがいやいやながら、離婚届を見るとこう書いてあった。 あいしてる!進藤ヒカル! 蛍光ペンで離婚届いっぱいに大きく書いてあった。 「・・・下手くそ・・・な字。」 ぷっ・・・思わず笑ってしまってでも胸が熱くなる。 「出せるもんなら出してみろ、大ハジだぜ、オマエ?」 進藤がくすって微笑って 「なに、びびった?」 ってにやって笑うから 「別に。書いてもボクが破るけどね」 って言ってやった。 「それオマエすっげ〜矛盾してるし、行動。」 ほっ、進藤が立ち上がってボクの方に 来るといきなりボクを抱き上げた。 「ちょ・・・何するんだ!?」 「一緒にお風呂に携帯拾いに行くんだよ、ついでに一緒に入ろうぜ」 「ちょ・・・ボクはもう入ってるんだけど!」 「いーだろ?中まで綺麗にしてやるぜ?」ちゅ♪ 進藤が変なこと言うので 「オヤジ・・・」 と進藤のほっぺたをつねってやった。 「明日からは、あれだぞ?カエルコールな!」 「はーいはい。」 わかってるのかわかってないのか、進藤は上機嫌でボクとオフロに入る。 「背中流して〜そのあと・・・ついでにさ〜」 「もー何も言うなっ!」 ボクは進藤の頭をがりがりとシャンプーで洗いながら怒鳴った。 おわり・・・。 |

| 小 説 | bottom line | とも様 |
| イラスト |
cherish |
ねね様 |
| お話は『bottom line』のとも様から。イラストは『cherish』のねね様から当サイト開設お祝いに、と頂きました。 新婚夫婦(?)のささいなすれ違い(いちゃつきとも言う)をともさんならではの軽快なタッチで生き生きと描かれたお話です。 ちょっと勝手でのん気な進藤に、ムカっているアキラさんが微笑ましくて微笑ましくて・・・・・。 『いいなぁ〜〜』と読んでいました。 ・・・・が、しかし!『離婚届け?!』ぎょぎょ!『をいをいふたりとも〜〜シャレんならんぞ〜』 進藤が離婚届けを書いている間のアキラさんのドキドキがこちらにまで伝わって来て、私の小鳥の様な心臓も押しつぶされそうになりました。 でも・・・・『イヤン進藤ったら、見せ付けないでよ!』 ハイハイ・・・・おふたりさん。ちょっと夫婦ケンカごっこをしてみたかったのね♪ 『あ〜〜〜ごちそうさま(爆笑)』 もうふたりの見事なまでのラブラブっぷりに、私はお腹一杯ですよ!ともさん☆ そしてそのラブラブSSに負けない位の萌え♪イラストを描いてくださったねねさん、ありがとうございました! 進藤の「ちょっと余裕のよっちゃん風味」の微笑みとアキラさんの戸惑っている表情に激萌えです! 『いいなあ・・・・ヒカアキ!』 そして当稚拙サイトにこんな素晴らしいSSとイラストを頂いてしまって、今更ながらに身の引き締まる思いで一杯です。 私はおふたりにはヒカアキ生活スタート時から、またサイト立ち上げに際しましては言葉に尽くせないほどお世話になりました。(多分これからも) その上今回は、開設にあたってこのようにお祝いを頂き本当に感激です。 色々と至らない所だらけの私ですがこれからも引き続きお付き合いの程、よろしくお願いいたします。 この場を借りまして、あらためてお礼を述べさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。 |