『キスだけであんなにクるとは思わなかった・・・・・』
とてもオトコのものとは思えない、濡れたような紅い唇。
潤んだ瞳。以前から触れてみたいと思ってた、サラサラの髪・・・。
そしてどこか頼りなさ気なアイツの顔を見たらもう我慢が出来なかった。
助手席の搭矢を思いっきり引き寄せて、抱き込んで抱き締めてキスをした。
何度も何度も・・・・・。
てっきり拒まれるかと思いきやそんなことはなくって、それどころかアイツもオレに応えてくれて。
舌を入れたらアイツの身体がぐったりしてきて、気がついたらオレ搭矢に覆いかぶさってた。
そこまでしても拒絶しようとはせず、それどころかオレの事をじっと見つめてきてそれを見たらオレの
中に残っていた最後の理性はあっさりと吹き飛んだ。
オレの失恋パーティーで男連れの搭矢の彼女を見かけてからオレはずっと、その事が気にかかって
しょうがなかった。
「あいつ、うまいことだまされてんじゃないか?」
そんなしょうもないことを考えてみる。
そんで今日オレもアイツも手合いが早く終わったので、メシでも喰いに行こうと誘ったんだ。 たまには碁抜きもイイよな。
彼女の事を搭矢の口から聞きたかった。
オレは搭矢を車に乗っけた時から彼女のことを聞きたくてうずうずしてた。
『付き合ってる、と言えるのかどうか・・・。色々彼女の相談に乗ったりはしているけど。大人の
付き合いだよ、進藤。キミと一緒・・・かな?』
事も無げに言った搭矢。
「大人の付き合い」
まさか搭矢からそんな言葉を聞くとは思わなかったぜ。
まあ、そこんとこはオレも人の事言えないけどオレならともかく搭矢アキラだぜ?!
ったく、どうしちゃったんだよ?
店を出て二人肩を並べて、公園沿いの道を無言で歩く・・・・。
「いつの間にオレ、搭矢の背追い越したんだろう?」
久しぶりに肩を並べて歩いたら、オレの方が搭矢の背を軽く追い越していたことにちょっとショッ
クを受けた。
と言うよりもいつもはシャンと背筋を伸ばして颯爽と歩いているのがコイツのイメージなんだけど
今日はなんだかいつもよりも小さく見えてどことなく覇気もないように思えて。
脇を歩いてて思わず肩を抱き寄せたくなる衝動にかられて辛い・・・・。
「そんなことしてみろ!今まで築いてきたオレたちの友情はどうなるんだよ?!」
我慢に我慢を重ねてやっと駐車場に着く。
「このまま、コイツを家に帰したくない」
車にキーを差込みながらそんな事を考えてるオレ。
車内にはなるべく明るい音楽を流したけどふたりとも黙ったままで、じき車は搭矢の家に近づいて
行った。
助手席の窓ガラスに映ってるアイツの顔を運転しながら、そっと盗み見をしてたらあいつが涙を拭
う様なしぐさをしたんだ。
「え?泣いてんのか?」
こんなアイツをこのまま返すわけには行かない。
オレは搭矢んちの近くの公園沿いに車を停めた。
『なあ、お前さっきもしかして泣いてた?』
『えっ?』
やっぱり泣いてたんだな?
目の淵がうっすらと紅くなってる。
オレに向けられた表情があまりにも無防備で、心許な気でこんなのいつもの搭矢じゃない。
「なんて表情してんだよっ!オマエ!!」
その顔を見た瞬間、オレの中で何かがプツリと切れた。
初めて重ねた搭矢の唇。
オトコにキスするなんて初めてだったけど、とても男性のそれとは思えないほど柔らかくって暖か
くってしっとりとした唇にオレは溺れてアイツをむさぼった。
生まれて初めて交わす、好きなやつとのキス。
それはあまりにも衝撃的で、官能的で今までオレがしてきた女の子とのキスなんかキスのうちに入
らねえ!ってくらいに凄いもんだった。
『とーや、好きだ!好きだ!前からずっとオマエの事が好きだった』
オレはアイツの耳元で何度も『好き・・』と囁いた…。
囁くたびにオレの腕の中で跳ねるあいつの身体。
耳の後ろから首筋に唇を這わす。
『あっ・・・・・・』
何て甘い声出すんだよ〜〜。
もう止まらないぞ?!
甘い声と共に仰け反った白い首筋にオレはまた唇を寄せながら、片手で搭矢のネクタイを外してシャツ
のボタンを一個一個外していく。
もう一方の手はサラサラの搭矢の髪の中に差し入れて、その髪を思う存分かき乱した。
『し・・んどう・・・』
既に乱れて息の上がった声にオレは応えている余裕も無く、目の前の搭矢の白い身体にキスの嵐を
落とす。
『オマエの身体・・・・綺麗。』
『い、イヤだ・・・・あっ・・・んっ・・』
オレの愛撫にいちいち嬉しい反応。
「イヤだとか言ってるけど、身体はイヤがってないぜ?」
なんて陳腐なセリフを吐きたくなるくらい充分過ぎるほどの搭矢の反応に
「こんなことして軽蔑されたらどうしよう」
なんて思いは綺麗さっぱりなくなる。
オトコは感じてるかどうかは身体の変化を見れば一目瞭然だけど、搭矢もしっかりと兆しててくれ
ててオレは迷うことなくベルトを外し、下着の上から既に形を変えてるアイツに触れた。
『ちょっ・・・し、進藤っ!やっ・・やめっ・・・・んっ』
さすがにこれにはアイツも驚いたみたいだったけど、もう止まらないもんね。
『ちょっと黙ってて』
抗議しかけた搭矢の口の中にオレの指を差し込んだ。
その隙に下着の中に手を入れてアイツ自身をしっかりと握りこんでゆっくりと手を動かし始めると
瞬く間に先端から露が零れ始める。
ここまできたら止まらない。
オレの身体もいっぱいいっぱになってるし。
そんなオレの身体をぎゅっとアイツの身体に押し付けたら、搭矢もそれがわかったみたいでぱっと
頬を赤らめた。
「くっそーーー、かわいいじゃんか!」
『はぁっ・・・あっ・・・んっ・・・し・・んどう・・やめて・・・くれ。』
『だめ、止めない。』
『進藤っ!』
身をよじって抵抗してみせるけど、だめだもんね。
そんな潤んだ瞳でいくら睨み付けたってそそられるだけだって、オマエわかってない。
搭矢の胸の頂を口に含んで舌で愛撫する。
もう一方の手の指でもう片方の頂を軽く転がして,アイツ自身をさらに手で煽った。
搭矢の身体が弓なりにしなる。
オレの手の中でアイツがまた大きくなるのがわかった。
『んっ・・し・・・しん・・・どう・・・だめ・・・だ・・・・』
『達ってイイから・・・・・オレに任せて・・・な?』
『そっ・・・そんなっ・・・・・いやだ、やめて・・くれっ・・』
髪を乱しながらイヤイヤと言う様に頭を振り続ける搭矢に、オレは背筋がゾクゾクするのを感じて
さらに搭矢を追い上げる・・・・・・。
『はぁっ・・・・はっ・・・し・・進藤・・・・進藤っ!あっっ・・・』
その瞬間のアイツの顔・・・・・・壮絶に美しかった。
オレもつられてイキそうになったけど、かろうじて堪えた。
「きっと我に返ったらコイツ落ち込むかも」
そう思ってまだ肩で息をしながら余韻に浸ってグッタリとしているアイツの身体を手早く綺麗にし
てやる。
まだ頭が混乱しているんだろう。
潤んだ瞳をこちらに向けてぼーっとしている顔がかわいい。
『キミは・・・・・いつから・・』
『ん?オレはずっとこういう意味でオマエの事が好きだった。オマエに告りたくっていつ告ろう?
いつ告ろうってそればかり考えてたのが北斗杯のあたりだよ。だけどオマエ・・・・』
『そんな時から・・・?』
搭矢は手を口元に当てて何やら考え込んでいる。
『オレあの頃多分、だよ?もしかしたらオマエもオレの事を・・・って自惚れてた。オマエは?』
そう言いながら額に張り付いた髪を掻き分けてあいつの額にキスを落とす。
『ボクは・・・・・・ボクは!』
搭矢は手早く身づくろいをすると身を捩ってオレの下から這い出して、車から降りて走り出した。
『あっ?! 搭矢っっ!!おい、待てよっ!搭矢っ!!』
すぐにでも追いかけようとしたんだけど・・・・如何せんオレの身体がとても走れるような状態じゃ
なくって・・・・・・。
『はぁぁーーーっ、何だよぅ〜〜オレの一世一代の告白だったんだぜ?!』
運転席に戻ってぐったりとシートに沈み込む。
『でも、まあいきなりオトコにイカされたんだもんなあ・・・・そりゃショックだよ・・な。』
ひとり呟きながらも、思い出されるのはさっきまでこの空間にいたアイツのこと。
額にうっすらと汗を滲ませながらほんのりと顔を上気させてた搭矢の表情。
オレの愛撫に信じらんないくらい反応してくれてた肢体・・・。
そして達したときの搭矢の顔は、今思い出しても鳥肌が立つくらいに綺麗だった。
『くっそーーこんなんじゃ運転出来ねえじゃん!オレ!』
がっくりとハンドルに突っ伏して、ふと横を見ると助手席の下にアイツのネクタイが落ちていた。
それを拾って折り畳んでると、このネクタイをキッチリとはめてた搭矢の姿が浮かんできてまた堪らなくなる。
『キリがねぇーーーーもーーひとりでヤっちゃうぞ!ここで!・・・・なんてそれじゃオレってばまるっきし
変質者じゃん!』
搭矢とこれっきりになったらどうしよう?まだ、オレあいつの返事聞いてない。
こういうことは変に間を空けるとよくない気がする。
でも電話なんて出てくんないよなあ?さっきのあの様子じゃ。
そうだ?!携帯。
北斗杯ん時に教えあった携帯のメルアド。
まだあれから変えてなければ送れるハズだ。
「さっきはごめん。でもオレ本気だから。オマエは?また会って欲しい・・・・・んじゃおやすみ。」
最後にハートマークを飛ばそうかと一瞬考えたけど、いやそれは流石にまずいだろうと止めておいた。
暫らく待ってみて、メールが戻ってこないとこみると、どうやら搭矢のメルアドはあれから変更されてないようだ。
『ふーーーっ!今夜は眠れないなーー』
身体の火照りが治まるまで約30分間、オレはそこから動けなかった・・・・・・・。
そして、翌日から棋院で会う搭矢は決してオレと目を合わそうとはせず、一方的に避けられる日々が続いた。
そんな状態になって2週間もした頃・・・・・オレが手合いを終えて下のロビーに行くとそこにはあの搭矢の彼女が
いた。
『進藤さん、ですよね?私搭矢さんの』
『彼女さん、ですよね?確か?』
オレがそう言うと彼女はにっこりとオレに向かって微笑んだ。
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