別れ−5(和谷side)


最近、進藤の様子がおかしい。

話しかけても上の空だったり昼飯に誘っても「食いたくない」とか言って
最近はよくメシを抜いてるみたいだった。以前の進藤からは想像がつかない事だ。

そして、絶対おかしいと思ったのが塔矢のノロケ話を聞かされなくなったこと。

「そんなん聞きたくもナイからヤメロー!」

と今までは逃げまくっていたオレだったけど、それも無くなれば無くなったでちょっと寂しい。
・・・・・なんて思うあたり末期だよ、オレ!なんてセルフ突っ込みを入れながら、進藤の姿を探した。
オレよりも先に部屋を出たけどきっとどこかでタバコでも吸ってるに違いない。

そうだ、アイツは最近になってから急にタバコを吸い始めた。
前は緒方さんに勧められてもガンとして断ってたのに・・・・・。
一体どうしたんだ?進藤?
塔矢にフラれたとか?
いや!まさかそんなことはないだろう。
ああ見えて塔矢の奴、進藤にゾッコンだったからなあ。
見ていれば良くわかる。
進藤を見つめている塔矢と視線が合ったことが何度もあった。
進藤がみんなとギャーギャー騒いでいるのを、ちょっと離れた所から微笑みながら見つめている
ところを見た時
「進藤の方が入れ込んでるだけなのかと思ったら、なんだ。
 しっかり塔矢の奴も進藤のことが好きなんじゃないか。あの天下の塔矢アキラ様をここまで惚れさせる
 だなんて凄げぇな!進藤!!」
なんて妙に感心してしまったりして・・・・・。
でもなんかイイ光景じゃん♪なんて見てたら塔矢と視線がバッチリ合ってしまった。
塔矢の奴イタズラを見つかった子供みたいにドギマギして慌てて目を逸らしたりして
「コイツも可愛いとこあるじゃん」
なんて不覚にも思ったりしてしまった。

後日その話を進藤についうっかり口を滑らせて話してしまったら


「そーだろ!そーだろっっ!!あいつったらそりゃあもうオレにゾッコンでさぁ・・・」


とその後またしても延々とノロケ話を聞かされるハメになったんだけど。


今日は絶対にそこら辺を追及してやる。


「よっ、進藤。お疲れ、勝ったんだろ?」

「ああ・・・うん。」


「オマエ最近おかしいぞ。覇気がないっつーか目がうつろだっつーか
・・・少しオマエ痩せただろう?ちゃんとメシ食ってんのか?塔矢はどうした?
アイツも最近顔色が悪いぞ。健康管理も棋士の仕事の内、ってうるさい塔矢が一体どうしたんだよ」

「やっぱり和谷にはお見通しか」

「何だよ進藤。やっぱり何かあったんだな?これからうちに来ないか?」

「和谷んちにか?他に誰か来る?」

「いんや、誰も来ねぇよ。んだからメシでも食って話そうや」

「うん、行こうかな」


途中の惣菜屋で適当に夕飯を見繕い、自販機でビール買い込んでオレの家に向かった。



                                                  
2005年10月13日

 

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